家族信託の手続きは何から始めればいい?やり方を一から解説!
家族信託とは、その名の通り家族に財産を信託するというものです。相続と変わらないのでは、と感じる人もいるかもしれませんが、実際には自分の子だけでなく孫の世代まで資産承継ができたり、財産を自由に決められるなどのメリットがあります。では、家族信託を行うにはどのような手続きを行えば良いのでしょうか。ここでは、専門家の選び方や口座開設などの流れについて見ていきます。
家族信託をする際の専門家の選び方と注意点
専門家の選び方としてはいくつか挙げられますが、代表的なものとして契約実績が挙げられます。ホームページ上に、その専門家がこれまでに手掛けてきた家族信託の契約数が掲載されていることが多いので、確認することが大切です。目安としては、30件以上の契約数があれば実績豊富と言え、100件を超えるようであれば日本でもトップレベルの専門家と言えます。ただし、注意しなければならない点もあります。それは、何十件もの実績があっても案件一つ一つの内容が薄いという場合があります。このような場合には、複雑な家族信託に対応したことがないケースも考えられますのでしっかりと確認をして、慎重に選ぶようにしましょう。
事前に家族で話し合っておくべき3つのポイント
家族信託をする際に、後々問題が起きないように家族で話し合いをすることが必要です。話し合いでは、決めるべきポイントがいくつかあります。まず、どの専門家に相談するのかです。上述の通り、選ぶ際に決め手となるポイントもありますので、家族全員で相談して決めることが大切です。また、孫にも承継させるかという点です。家族信託では、一般的に自分の子どもに財産を承継させますが、それを孫にも信託するかどうかを話し合いで決めるのが良いです。
最後に、どのタイミングで信託を実行するかということも話し合いの対象となります。このタイミングを誤ると、信託される側のライフプランにも狂いが生じる可能性がありますので、家族で話し合うことで慎重に決めることが求められます。
契約内容相談から口座開設までの流れ
家族信託のやり方としては、まず専門家と契約内容の相談を行うことから始まります。もちろん、その前提として家族間での話し合いがなされていることが必要です。専門家のアドバイスを基に信託契約書を作成することになりますが、その効力をより確実なものにするために公証役場にて公正証書も併せて作成します。そして、信託する財産を受託者名義に変更する手続き、いわゆる信託登記を行い財産が他者から侵害されないようにします。この時点で、財産は受託者のものになったためそこから発生する金銭を管理するための口座を銀行で開設すれば、手続きが終了します。
家族信託は事前準備が大切!まずは家族で話し合うことから始めよう
家族信託を考えている人は、何をするにもまず家族で時間をかけて話し合う必要があります。例えば、自身が認知症になってしまった場合財産はどうするのか、本当に孫まで引き継がせていいのか、など家族全員のその後の人生に関係するからです。普段は仲の悪い家族でも、せめてこの時だけは団結して会議をすることが大切です。