財産の管理が容易に!?家族信託制度におけるメリット
家族信託制度は財産管理の新しい形として知られるようになりました。家族に資産を託すことによって管理してもらえる体制を整えるのが特徴ですが、どんなメリットがあるのでしょうか。遺言と同じようなものだと考えている人もいますが、必ずしも同じではありません。それでも相続に関わる問題についての解決策となるのかを理解しておきましょう。
家族信託は柔軟な遺言書?その効力とは
家族信託は被相続人になる予定の人が委託者として家族のうちの誰かを受託者に任命し、信託財産を指定して管理してもらうのが特徴です。例えば現金は残される家族全員で等分にし、不動産については長男のものにするということを配偶者に伝えて管理してもらうといったことができます。このようにすると遺言書と同じようにして遺産を意志通りに分配することができるため、柔軟に法定相続を覆せる遺言書のようなものと考えられるのも確かです。ただ、効力については信託財産として指定したものに限られます。また、遺言書と家族信託の両方があった場合には家族信託が優先されるのが特徴です。相続のときには家族信託がかなり強い効力を示すことは理解しておく必要があります。
遺産相続争いを減らすことができる?
家族信託は遺産相続争いを減らせるのかというと、家族信託をしないよりはリスクが下がります。被相続人がまだ意志判断ができる段階で、誰が資産を管理するかを指名し、その相続における取り扱いも指定する形になるからです。通常、家族信託をするときには家族で協議をするので、その時点で納得できる形に仕上がっています。そのため、相続が発生した時点でトラブルになることはあまりないのです。
相続した不動産を容易に売却!不動産の放置を回避できる
相続によって不動産は共有名義になることも少なくありません。共有名義では全員の了承と書類が揃わないと売却できないのが問題になります。この問題を克服し、相続した不動産を容易に売却できるのも家族信託をしておくメリットです。家族信託によって受託者になった人が不動産を共有名義にせずに一人に相続する形を整えることができます。放置していた家が古くなり、空き家問題が発生することも多くなっているため、その対策としても家族信託が重要と言えるでしょう。
家族信託で財産管理の悩みを解決しよう!
家族信託は遺言書よりも強い効力を持つ財産管理の方法で、家族に託して財産を適切な形で分割して相続できるようにするのが特徴です。予め家族での協議が行われるのが普通なので遺産分割におけるトラブルがあまり起こりません。不動産の共有名義に関する問題も克服できるなど、財産管理の悩みを解決する手段になるので有効活用しましょう。