今話題の家族信託って何?
最近では、「終活」と称して元気なうちに遺産相続に関することを決めたり、遺言書を作成したりしていらっしゃる方が多くいます。
そのような方に、今注目されているのが「家族信託」です。
今回は、家族信託とは何かということについてご紹介します。
□家族信託とは何か
家族信託とは、資産を持っていらっしゃる方が、信頼できる家族にその運用を任せる制度です。
ご自身が元気な時は、資産の運用方法を指導したりすることができます。
また、受益者は自分にすることができるため、認知症などを患った場合も安心して任せられます。
認知症になってからこの信託契約を結ぶことは難しいため、
元気なうちに誰に資産を託すか早いうちから家族と話し合って決めておく必要があります。
□家族信託と後見人制度の違い
似たものに後見人制度がありますが、家族信託のほうがより柔軟なものです。
後見人制度はあくまでも病気などにより判断力の低下した方を後見人が補助する制度です。
しかし、親族が後見人になった場合はその人が金銭の使用に関する履歴を正確に残しておく手間がかかり、弁護士に依頼した場合は毎月費用がかかってしまいます。
それに比べて家族信託では、必要に応じて資産の売却やなども可能で、より有効に資産を利用できます。
□家族信託のメリット
なんといっても家族信託は、その柔軟さがメリットです。
まず、家族信託では遺言書よりも自由に遺産相続人の指定が可能です。
例えば、自分の遺産の相続人が死亡した後の相続先も指定できます。
また、不動産を共有財産として所有していた場合、本来なら不動産の活用や処分には共有者全員の同意が必要ですが
家族信託であれば、不動産の管理や処分の権限を一人に持たせられるため、ベストなタイミングで不動産の売却が可能です。
□家族信託のデメリット
家族信託にもデメリットがいくつかあります。
大きなデメリットは、信託での運用分が、他の相続人の遺留分を侵害してしまう恐れがあるということです。
遺留分とは、法定相続人に対して最低限残す必要がある財産の割合のことです。
相続人同士でよく話し合い、遺留分には配慮をした信託・運用をする必要があります。
□まとめ
・受益者を自分にして、資産を信頼できる家族に託すことができる。
・後継人制度と違い、毎月の高額な費用がかからない。
・相続後の様々なトラブルを防ぐことができる。
つまり、大切な家族に残した資産を最適な形で使ってもらえる制度であると言えるのです。
家族のために何が一番ためになるか、自分はどうしたいか深く考えて資産を運用してくださいね。
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