認知症では不動産を売却できない?
皆さんは、不動産の売却について詳しくご存知ですか?
日本は、2007年に超高齢化社会に突入し、今後もますます高齢化率が高まる一方であると予想されます。
そんな時に、避けられない問題となってくるのが「認知症」の問題だと思います。
今回は「認知症の方でも不動産を売却することはできるのか」ということをテーマにお話します。
□不動産の基礎知識
*不動産の売却について
不動産の売却とは、「売買」という法律行為に当たります。
売買とは、意思能力を持った当事者が、「売ります」「買います」という意思が合致した時に効力が発生します。
ですので、基本的に認知症の方は意思能力に欠けると判断されてしまうため、売買契約は無効となってしまいます。
*所有権について
不動産の持ち主を所有者と言い、この所有者は所有権という権利を持ちます。
所有権とは、不動産を管理する権利と、その不動産から得られるお金をもらう権利の二つに分けることができます。
もし、所有者が認知症になってしまうと、所有者の親族が不動産を売却しようとしても、
その親族は所有権(不動産を管理する権利)を持っていないので、不動産を売却することができません。
□対策
「じゃあ、認知症になったらどうしたらいいの?」と思った方はご安心ください。
ここでは、対策として「家族信託」について紹介します。
家族信託とは、「所有権のうち、管理する権利だけを信頼できる家族に託す」という制度です。
先ほど、所有権には不動産を管理する権利と、不動産から得られるお金をもらう権利の二つがあるとお伝えしましたが、家族信託は不動産を管理する権利だけを家族に託すので、所有者は、不動産から得られるお金は、今まで通りもらうことができます。
認知症になると、判断能力が低下してしまうので、その前に家族信託を利用することで、認知症への備えになるということです。
また、家族信託は、信託契約の時点で家族による不動産の管理が始まるので、資産の管理や運用状況を不動産の所有者が見守れるというメリットがあります。
□まとめ
今回は認知症の方が不動産を売却できるのかということについて、紹介しました。
原則として、認知症の方は意思能力を持っていないため、不動産を売却することはできません。
しかし、事前に家族信託のような制度を利用することで、対応が可能です。
早めの対策を心掛けましょう。
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