相続税対策のための養子縁組って節税に効果があるの?
相続の節税対策のために養子縁組で相続人を増やすと節税効果があるという話を聞いたことがある方も
いらっしゃるのではないでしょうか?例えば、次のような例が挙げられます。
「自分には息子が一人しかいないが、その息子の子供、つまり自分から見て孫が3人いる。その3人と養子縁組をし、相続人を4人にした。」
このような場合、相続人1人につき600万円の基礎控除があり、計2400万円の節税効果があるように思えますよね。
しかし、税金面(税法上のルール)、相続面(民法上のルール)を考慮した場合、結果的に節税効果があるのでしょうか?
そこで今回は、相続税対策のための養子縁組制度に節税の効果があるのかを解説いたします。
□そもそも相続税対策のための養子縁組は大丈夫なのか?
相続の節税対策のために、養子縁組を勧められることはあります。
では、養子縁組にすることで、どのように相続の節税対策になるのでしょうか?
養子縁組にすることで得られるメリットとデメリットを簡単にご紹介します。
*「メリット」
・相続税の非課税枠が増える
・生命保険の非課税枠が増える
・死亡退職金の非課税枠が増える
次にデメリットのご紹介です。
*「デメリット」
・遺産分割がまとまらず、相続税を優遇する制度が使えない可能性がある
・孫を養子にした場合は相続税が20%増しになる
・相続税の計算上、養子が認められない可能性がある
・人数に制限がある(実子がいない場合は養子2人まで、実子がいる場合は養子1人まで )
相続の節税対策のために養子縁組をする場合、「長男の妻を妻子にする」「孫を養子にする」ということが考えられます。
ここで挙げた例では、孫を養子にするというものでした。
よって、相続税が20%増になってしまい、孫を養子にするときは、かえって相続税が増えてしまう可能性もあるのです。
なぜなら、相続税法のルールでは、「相続または遺贈(遺言によって財産を相続人以外におくること)により財産を取得したものが被相続人の
一親等の血族及び配偶者以外のものであるときは、相続税額が100分の20に相当する金額を加算する」という内容があるからです。
一見、民法上一親等の血族にあたりますが、2003年に行われた改正において、孫養子は一親等の血族に含めないとなり、20%増となったのです。
□まとめ
・相続税の非課税枠が増えるが孫を養子にした場合は相続税が20%増しになる
・人数に制限がある(実子がいない場合は養子2人まで、実子がいる場合は養子1人まで )
民法と税法のルールに基づくと結果として、養子縁組をすることで相続税の対策になる要素は少ないという見方が一般的です。
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