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相続

相続人と連絡が取れない場合、遺産分割は進められる?

親族の死後問題になるのが遺産相続です。

いざ遺産の分割について協議を始めたいと思った矢先に、相続人の一人と連絡が取れないことが発覚した。

こうした場合に相続の協議を進めてもいいのか、分からない方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、遺産相続の際に相続人と連絡が取れない場合の対処法をご紹介します。

遺産分割は可能?

相続人と連絡が取れない場合、その人を放っておいたまま遺産分割を進めることはできるのでしょうか。

もし、有効な遺言書が見つかった場合は、相続人全員の確認と許可がなくとも財産分与を進めることが可能です。

しかしその遺言書に全ての遺産についての記載がない場合は、記載がない分の遺産の分割を相続人全員が参加する遺産分割協議によって定めなければならなりません。

よって有効な遺言書があれば相続人が不在であっても、その遺言書の通り遺産分割をすることが可能ですが、遺言書がない場合は基本的に遺産分割を進めることはできません。

どうしても連絡が取れない場合

遺産分割協議をするべく相続人全員と連絡を取るよう努力したけれども、どうしても連絡が取れない場合は「不在者財産管理人の選任申立」を検討しましょう。

不在者財産管理人の選任申立とは、本人に代わって遺産分割協議に参加してもらうための申立です。

この選任申立は家庭裁判所にて行わなければならず、手続きや証拠提出などを全て行って初めて可能になります。

相続人の生死すらわからない場合は?

上記で紹介した不在者財産管理人の選任申立は相続人本人が生きていることを前提とした方法です。

しかし、本人が生きているのか不明な場合、災害が理由で行方が分からない場合などは「失踪宣告」をするという方法もあります。

失踪宣告とは本人が死亡したとみなす手続きのことを言います。

失踪宣告も家庭裁判所に申告する必要があり、認められるにはいくつかの条件があります。

その条件を満たし家庭裁判所に認められて、初めて遺産分割協議を進めることができるというわけです。

ただし、失踪宣告の受理には1年から1年半と非常に長い期間を要するためこの方法を利用し、ただちに遺産分割協議を進めるということはできませんのでご注意ください。

なお、失踪者が現れ、失踪宣告が取り消されれば失踪者にも相続権は復活します。

ご覧いただいた通り、相続人の中に連絡の取れない人がいたとしても、家庭裁判所で正式な手続きを踏めば、分割相続を進めることは可能です。

しかし、手続きは煩雑であり長期間に及ぶため、親族同士のみで円滑に推し進めることは極めて困難です。

また、少しの手続きミスが親族間のトラブルに繋がる可能性もあります。

トラブルを避けるため、また、スムーズな相続を行うためにも弁護士や司法書士など専門家監修のもと手続きを進めるのが賢明でしょう。

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