遺産に借金がある場合、借金も相続しないといけないの?
遺産相続に関する知識は、誰しもが持っているわけではありません。
身近な問題であるのにもかかわらず、意外と知っている人は少ないのです。
遺産は、全て「プラス」になると思っていませんか?
財産を貰えるというイメージの強い遺産相続ですが、実は「マイナスの遺産」が遺されている可能性もあるのです。
今回はそんな「マイナスの遺産」として考えられる借金の問題について、相続の際に知っておきたいことをお伝えします。
□借金というマイナスの遺産
それでは、マイナスの遺産として借金を取り上げ、具体的な例から相続について考えていきたいと思います。
*例
Aさんは父親と離れて暮らしており、兄弟はおらず母も他界しています。
父の遺産の相続権はAさんのみにある状態です。
しかし、Aさんの父親には不動産所有や預貯金だけでなく、クレジットカードの返済やその他借金がありました。
Aさんは父親の借金も必ず相続しないといけないのでしょうか?
できればAさんを含め、多くの皆さんがマイナスの遺産を相続したくないと考えますよね。
実は、マイナスの遺産を相続しないという選択肢が存在します。
ここからはその方法についてご紹介します。
□相続放棄
相続放棄とは、遺産としてあるもの全てに対し、相続を拒否することを意味します。
もしマイナスの遺産を相続してしまったら、遺産の借金を全て自分で返済しなければなりません。
その借金を返済する能力がない場合には、自身の財産が差し押さえられてしまうこともありますので、遺産の内容を十分に確認しなければなりません。
相続放棄をした場合には、借金を背負うことはなくなりますが、一方でプラスの遺産を相続することもできなくなります。
□限定承認
限定承認とは、先ほどの相続放棄と異なり、遺産の一部を相続することができます。
これは、プラスの遺産以上のマイナスの遺産を相続しなくて良いという方法になります。
例えば、相続するプラスの遺産が500万円でマイナスの遺産が1000万円の場合、限定承認によって500万円のプラスの遺産を相続し、同時にマイナスの遺産を500万円のみ相続するということになります。
この場合差引額は0円となりますが、他の相続人に対して配慮しているという印象を与えることができます。
限定承認はその手続きが複雑なため、あまり使用されない方法ではあります。
ですが、マイナスの遺産がどのくらいあるのか把握できない場合には、この方法を使うと良いでしょう。
□まとめ
今回は、借金などのマイナスの遺産における相続について、2つの方法をご紹介しました。
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